活動報告

第4回 iSPP 全体会合を開催しました

5 月 13 日(金)に開催された、iSPP 全体会合の概要を掲載しています。

40 名を超す方々が集まった第 4 回の全体会合では、名取市の情報システムアドバイザーをなさっている酒井氏も迎え、GW 中の東北訪問の緊急報告を行いました。

宮城、岩手、福島をまわった 3 つのチームが現地の取材で分かったことを報告しながら、会場で参加している被災地を訪れた方々からも状況を話してもらうなど、情報共有も進みました。
東北訪問の概要はこちら

最後に、団体設立に向け、設立総会や会員区分、定款についての説明を行いました。

■ 日時:2011 年 5 月 13 日(金)18:30 〜 21:00

■ 場所:TKP 渋谷カンファレンスセンター 5 階 カンファレンスルーム 5A

■ Agenda
1. 被災地訪問の報告
2. 東北の現状報告
3. 団体設立について

第 4 回 ispp 全体会議 20110513

ミーティングの様子は Ustream でライブ中継しました。

00:04:10

まずは行ってみるということが大切
被害は「報道」とはまったく違う、まずは現地に行くことが大切。
そのうえで自分でできることを

神戸の教訓を活かせなかった
役所だけではまわせない、じゃあ何をするか?
まずは自分が動くこと

00:14:25

被災地側から見て
・元々そこに何があったのか分からないような場所も、2 度 3 度と訪れることで、物理的にどう変わっていくのか分かっていくこともある。

・被災した中で、安全な地域でもいい、観光でもいいから被災地を訪れてみてほしい。

・連休が終わって深刻なボランティア不足。まだまだボランティアが足りてない。連休が終わっても情報発信したり、ボランティアに参加してほしい。

00:18:48

名取・佐々木市長との対話
情報を整理して住民に伝えることが、アナログでありデジタルであり大切だが難しい。

00:20:50

被災地自治体の情報発信
・名取市、気仙沼、仙台市などの自治体で発行している市民向けのパンフレットを紹介。
名取市が一番見やすく進んでいるのは、神戸市で阪神大震災時の元広報課長桜井さんが助言した成果。被災者目線で作る大切さ。

・岩沼市:情報を市民向けに出すのに、担当が二人しかいなくて困っている。

・アナログがデジタルかはどうでもいい。大切な情報が流れることが大切。

00:24:00

名取市の状況
・被災地が混乱、疲弊している原因
>行政改革で職員が減っている。
>専門知識を持った職員が少ない。地域防災計画、復興計画の知識が蓄積されていない。

名取市の避難所
避難所に PC を置いても子どもが遊ぶぐらいで、撤去されてしまったり。
そもそもこの過密の状態では PC を使ってメールをしようという環境でもない。

Amazon 欲しい物リストを使った被災地支援
被災した 3 県に呼びかけ、名取市の避難所が一番最初に取り組んだ。商品の受け渡しなど、なかなか難しい面も。

00:29:35

被災地での PC の利用について
・名取市:避難所にパソコンがあっても、パソコンやネットで何をしたらいいのか分からない。情報リテラシー、デジタルデバイドの問題が震災前から東北にはある。

・釜石市:PC だと利用者は少ないが、ギャラクシータブはなかなか好評。

PC にあまり慣れていないユーザには
・らくらくフォンは人気、らくらくタブレットのようなものがあればいいのでは。
天気を調べるのに検索エンジンを使うのではなく、画面上の「天気」というボタンを押したら見られる仕組みなど。

PC の使い方のサポート
避難所に PC が置かれていても、使い方を記した資料などが置かれていない。

00:39:10

被災地でコンピューターを何に使うのか?
・自治体の職員が必要。
・リテラシーがある職員のいる場所だと、きちんと整然と並べられている。
・震災時でも、国や自治体は PDF で情報を出す。印刷しないと配布できない。ネットとプリンターも必ず必要。

タブレットの有効性
・ギャラクシータブでももちろん有効。
・画面のボタンをクリックすると、目的のサイトに着くようなお手軽なシステムが早急に必要。

被災地でできること、被災地の外でもできること
・NEC とコラボの「読みラジ」:災害用のラジオの放送内容をボランティアがデータ入力し、メールで配信。

松島でのボランティア活動の例
獣医の手書きのカルテをデジカメで撮影
>東京でボランティアがデータベースに入力

ボランティアがリモートで作業できること
現地のボランティア団体の IT リテラシーを高めるだけでは限度がある。リモートで出来る作業を他の地域で分担することも視野に入れるべき。

00:44:48

継続して現地に行くことの大切さ
・1 ヶ月経ち、前回 4 月に訪問した時からの変化にも気づく。
・定期的に行くことで現地との信頼も出てくる。

6/19 ICT 復興支援国際会議(仙台)
・仙台で IT フォーラムを企画。
・東京で発注したいところがあれば、仕事を請け負う東北の企業を紹介するビジネスマッチングも行う。

ベストプラクティスをどう他の地域と共有していくか?
災害という非常時で、各自治体にも余裕がない。

チームに分かれて被災地訪問
今回の東北訪問は短期間で分担してまわった。

・その日のうちに持ち帰って他のメンバーに伝え、共有できることも重要。

・個人でプロボノとして参加しながら、活動した内容をクロスオーバーに共有できることも、プラットフォームとしての組織の利点。

00:49:26

気仙沼の状況
・危機管理課を訪問
気仙沼の防災マップ:津波のハザードマップ。充分予測、準備はしていたが助からない人が出てしまった。
>「自分だけは大丈夫だと思っていた」
>「次の情報が来ると思っていた」

・神戸市:震災の時に職員が何をしたか全てデータベースで参照できるようになっている。今から次に備えること、今までの経験を受け継いでいくことが今から大切。

気仙沼の図書館
図書館も生活のインフラ、早急な復旧が必要。 高台にあって、津波の被害がほとんどなく、TSUTAYA などの協力もあって本が集まり開館することができた。

南陸前のすぐれた仕組み
市役所の機能が高台に置かれ、いくつものプレハブに分かれている。入口に銀行の受付のようなコンシェルジュ機能が置かれ、必要な窓口へ取り次ぐので効率的。

釜石の状況
・シープラザ釜石に市役所機能を移転。通信手段が限られて職員や市民との連絡を取るのも難しい。住民をたらいまわしにしないようにと心がけるが、まだ課題がある。

・どこの行政も財政が逼迫している。国の支援が必要。

・PC も電話も充分でなく、市役所が大変。市役所で 80 台の PC が必要。4 月に大学経由で PC をリクエストし、iSPP 経由で 60 台を確保するが、まだ受け入れには至らず。

・基幹サービスがダメージを受けていることで、自治体の業務、サービスを充分に提供することができない。行政を応援する必要がある。

遠野の状況・震災の数年前から、三陸で災害があった時の後方支援地として準備を進めていた。

・災害対策本部:震災が起こった時からの出来事を全て壁新聞にして貼り出している。

・ボランティアの受け入れ場所
長靴を洗い落としたり、お風呂も入れて、ボランティアに便利。ボランティアをさばく仕組みを作れている。

01:24:15

福島の状況

Cチームの福島訪問は、まだメーリングリストで流れていなかったレポート(PDF)をご参照ください。